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ピアノの構造を音色から考えてみる 2

まず、音色の考え方についてお伝えいたします。

これは経験から、整音(ピアノの音色の調整)に基づいての考えです。

考えの正しい、間違え、また、世の中の諸先生方の意見と違う場合もありますが、

個人の調律師の意見として捉えてください。


指のエネルギーをしっかり弦に伝えた上で、

・音の幅、表現力と音の伸びは相反する

太い音、音量は横への広がり。

音の伸びは縦への長さ。

この二つに指からのエネルギーを振り分け、バランスを取ります。

ヤマハのように音が割れるピアノは、極力接点を点にするか、

柔らかい接点で音を割れなくします。

どちらとも縦方向のエネルギーに変換させる傾向があります。

よって現代のヤマハは音がやせ気味です。

カワイのようにエネルギーのロスを感じ、表現力が足りないと感じるピアノは、

同じですが、接点を極力点にするか、

ハンマーの芯をしっかり保って、脇に弾力を持たせるかで、

どちらとも縦方向のエネルギーに変換させる傾向があります。

シンメル、ザイラーのような、初めから音の伸びに振ったピアノは国産にはほとんどありません。


音の芯をいかに細くするか

音の芯が太いピアノでよい音のピアノはほとんどありません。

80年代以降のスタインウェイ、グロトリアンが男性的だと言われますが、

その限度を超えて太いのが、ヤマハ、カワイなどの国産のピアノです。


何を言っているのか?

誰でも中学生の頃、歌の練習を学校でさせられたと思います。

姿勢を正し、お腹を引き締め、声が上に上がるように、横に広がらないように。

エーではなくオーと声を出す練習をしませんでしたか?

しかし、力強いフォルテの声は、

上に抜けすぎては肝の座った強い音にはなりません。

その時声は少しだけ横に広がります。


あれです、国産のピアノはエーなんです。

グロトリアンなどは、ウイーン合唱団でなく、

テノール歌手みたいに男性的だということです。

指のエネルギーをしっかり弦に伝えた上で、

意味は、肺からの息をしっかり声に変換させて、そんな感じです。

調律師の先生が、音色の理想は薄い陶磁器のような繊細な形

と言われていましたが、まさにその通りです。

この考え方でピアノの構造を見れば、

僕が分からなかったこと、不思議に思ったことは、

少しつながってきました。

その3に続きます。








ピアノの構造を音色から考えてみる

非常にお久しぶりです。

前回の鉄骨の件ですが、

僕はピアノを作ったことが、鋳物を作ったことが無いのでわかりません。

ただ、鉄骨が振動するピアノは包容力があり、

簡単に音が割れす、ヒステリックでない代わりに音が止まらない。

音がしっかり止まるピアノは鉄骨の振動が渋いので音がうるさい傾向がある。

響板と共に鉄骨もエネルギーを吸収している。

鉄骨は簡単には振動は止まらない、だから音も止まりにくい。

鉄骨の振動を制限すれば、音は止まる代わりに振動の吸収を制限するので、

エネルギーの包容力が落ちて、音がヒステリックに割れやすくなる。

そう思います。


日本人はノイズ、雑音、音の止まりには非常にうるさい

しかし、ピアノの音色にはそんなにうるさくない。

ヤマハは数少ない、しっかり音が止まるメーカーです。

日本人の趣向にピアノの特性を合わせているように感じます。

細かな均一化されたつくり、雑音の少ない、しっかり音の止まるヤマハ

唯一あとに残したのは音色そのもの、しかし、表現力、バランス、調律の保持

いずれも世界のトップレベルです。

カワイ、国産他メーカーが世界の標準には近い気がします。

ヤマハは日本人の趣向に特化している個性のあるピアノです。


ピアノの構造を音色から考えてみる

ピアノを何とか良い音色にしたい。

それには調整、整音だけでは限界がある。

しかし、ピアノの構造は作ったことが無いから分からない。

自分が分かることは何だろう?

音色のことは少しは分かる。

ピアノの音色からピアノの構造を考えれば、

なんとなく構造の理由が見えてきた。


あくまでも個人の調律師の私見です。

絶対とか、正しいとか、そんなものではありません。

また、大したことも書きませんがよろしくお願いいたします。

気の向いた時に。数回に分けて書いて行こうと思います。

キーワードがあります。

機械を考える時、

寸法、精度、理論などが重要になります。

それは技術者が大好きで、

何でも目に見えることが大切で分かりやすいのですが、

ピアノは楽器で、音色を出すもの。

理論より感じることが大切じゃないのだろうか?

当たり前すぎる答えですが。

ここを忘れてしまっています。

何を言ってるのかわかりませんね。

次回から少しずつ書いていきます。










鉄骨について少しだけ考える

鉄骨を観察する視点ですが、音色です。

鉄骨は鳴ってはいけない、そう言われてきました。

なぜ鳴ってはいけないのか?その理由は聞いていません。

想像していたことは、鉄骨が鳴ると音の止まりが悪くなる。

鉄骨が鳴ると、ボディの振動を伝える場所が増えるので、

音が割れにくくなり、音色がまろやかになる。

確かめていようと、鉄骨へ振動を与えて助長させる実験を行いました。


音が出ない場合は、全画面にして音量を調節してください。

ヘッドフォンで注意深く聞かないとわからない程度ですが、

現物は体感できました。

また、音に敏感なお客様宅で検証もさせていただきました。

これから、どこの箇所が効果的に作用するなど、

勉強していかなくてはなりません。


ヤマハYU5

音の止まり方は別格で、流石ヤマハという感じです。

しかし音色が固く、特に高音域は耳を塞ぎたくなるほどうるさいです




ヤマハYU5鉄骨干渉後

鉄骨にあえて物を干渉させて振動の流れを作ってみました。

音の止まりが微妙に悪くなり、

高音域のうるさかった音色は、音の割れは低減しました。




カワイUS50

音の止まりが悪く、音が鳴った後モワーと残響音が残ります。




カワイUS50鉄骨干渉後

音が少しだけはっきりと、残響音も少しだけ低減されました。



実験をして、

ヤマハは鉄骨を振動させないように努めている。

音の止まり、切れは最高レベルだが、

ボディの振動させる部分が木部と鳴りの悪い鉄骨となるので、

振動の行き場を失い、音が割れる傾向になる。


カワイ

標準的な音の止まり方、残響音が残る。

金属的な音はヤマハほどではない。

鉄骨が振動しても、振動の流れを作ると音がはっきりして、

少し残響音が減る。


なぜヤマハは標準的な鉄骨の鳴りを止めて、音を止める傾向にしたのか?

日本の住宅は昔は和風建築が多く、お部屋の響きがほとんどありませんでした。

よってピアノの雑音、音の止まりなどのクレームが多かったのでしょう。

そしてクレームに対処するのはメーカーとして自然なことで、

このような鉄骨の作りになったと思われます。

しかし、現代の断熱された響きの鋭い家ではお部屋との相性は果たしてどうなのか?

音の止まり、雑音は昔ほどは気にならない反面、

カワイのまろやかな普通の鉄骨の方が相性はいいかもしれないと感じました。




あけまして おめでとうございます

昨年はお客様、お世話になっているお取引先、先生、

皆様のおかげで無事に終えることができました、

心より感謝申し上げます、今年もよろしくお願いいたします。



昨年を振り返り、目標は一点でした。

いかに短時間で演奏時に苦痛を感じないようにするか。

不可能と思えた、短時間での針刺しを克服してきていると思います。

商売として考えると、クレームなくお客様に不安を与えず、

お金をもらってくることが理想ですが、

より良い演奏の環境、心地よい響きに変えることが、

合理的でない挑戦でした。


お客様は音を分かっています、

少なくともピアノを弾く人ならば、小さい子も分かります。


ただ、リスクを伴います。

私は何台もピアノを触っていますから、どう変化するのか、

短時間で、できることはここまで、次回はこの作業と段取りしています。

お客様は初めての体験です。

金切声のようなピアノでは、良いも悪いも分からなかったことが、

タッチとのバランス、雑音、音色のバラつき、音の止まり方などが気になってきます。

それはピアノへの要求ということで新しい世界の始まりなんですが、


今までの欠点が見えてくることで、

不安が芽生え、僕の責任ということになってっしまう場合もあります。


一般的に音色(調律でなく)を依頼したらどれだけ費用が掛かるのか、

それができる人がどれだけいるのか?

高い壁に低価格と短時間で挑戦していることをご理解いただき、

仕事はこれで終わりでなく、次回も続くことをご承知ください。

一度のやればいいのですが、調律2、3回分の費用となります。

その時点でお客様の負担が大きくなります。

それは私の本来の目標と違ってきます。



来年の目標

タッチも音色も短時間でまとめることに努力して参りましたが、

本体の音の発声から手を入れること、

木の音、鉄の音の発声の時間をずらすことができれば、

音はよりまろやかに、弾き心地も良くなると思います。

それにはピアノがどのように振動が音に変換されて、

ピアノ本体を振動が流れる順番、障害などを理解しないといけません。

これは分解しようが、考えなければ分からないことです。

調律師なのに分かっていないのか?と思われるかもしれませんが、

あまりに近代化、細分化されて私たちは考えることをやめてしまいました。

多分、非常に単純でしょうがないことです。


鉄と木の音の出る時間をずらす、

その意味さえ何年も考えて、人の意見も聞きながら到達した考えです。


まだまだ結論は程遠いですが、

鉄骨は鳴ってはいけない、そう言われてきました。

それは弦の振動を拾ってはいけないという意味で、

一度木に流れた振動を鉄骨が吸って、

もう一度木に還元しているのではないか、まるでバッテリーのように。

だから遠くで鳴って近くでうるさくないピアノは、

鉄の音が後から聞こえるのではないかと考えています。

何百回も何千回も考えるのにお金はかかりません。

今年それが分かるのか、10年後なのか、分からないのか?

何とも申し上げれません。


そして、その音色でさえ通過点で、

本来はもっとシンプルで素直でなければならなく、

次の段階も、もちろんあります。

できることから、始めて行きます。






調律師の方に、鍵盤を削っている調律師がいる件について

鍵盤を削っている調律師がいる件について。

それは僕のことです

新しく担当された調律師の方、お客様にご不安があるかと思いますので、

なぜ、鍵盤を削ったかをご説明させていただきます。

最初は木口の下側の角まで落としていましたが、

今は木口を落としていません、そしてある方からご忠告がありましたので、

よっぽどのことが無い限り止めようと思います。


なぜ、鍵盤の下側の角を鉋掛けしたのか?

まず、鍵盤のことを考えましたのでご説明させていただきます

鍵盤はピアノのサイズによって長さが違います。

しかし、スピネットピアノを除き太さはだいたい同じです。

よって鍵盤の強度と特性が長さによって変わることになります

鍵盤の短いピアノは剛性が高く、しなりませんが鍵盤の長いピアノは剛性が弱くしなります

ちょうど良いバランスはグランドの3型より少し上、6型ですとしなりが強いです。

しならない鍵盤は剛性が高く、

固い、音の立ち上がりが早い音が出て、

衝撃が指にダイレクトに伝わり骨に響くような痛さがあります。


しなる鍵盤は剛性が弱く、指の力がロスされて、音色の変化に影響があります。

長い鍵盤は弾き心地が良く、タッチ自身のコントロール性は良いです。


メーカーによっても感触が違います。

ヤマハは軽く固い、鍵盤を外して叩いてみても固い振動が伝わります。

カワイは、ゴツイ感じがしてもっさりした感じがします。

以外にも鍵盤のみでもメーカーの個性が出ていると思います。


問題はグランドの3型以下のピアノ、アップライトピアノで、

ピアノ本体との相性があまり良くありません

アメリカ製のスピネットピアノは鍵盤が長いです。

弾くき心地が良い、音がまろやかだと思ったことはありませんか?

浅い固い音色がするスピネットピアノに、長いまろやかな鍵盤を与えてバランスを取りました

しかし、最近のピアノは住宅事情からピアノ自身の幅の狭い、鍵盤の短いピアノが主流です。

確かに現行のスピネットピアノは鍵盤を少し薄くしていますが間に合いません、

サイズ的に鍵盤の長さが短くなるなら、厚さもそれに見合って薄くなるべきです


では、太いままの鍵盤の弊害を考えてみます。

ピアニッシモが出にくくなります

そっと弾きたいのに、大きな音が出てしまう、大太鼓の撥で小太鼓を叩くような感じでしょうか?

フォルテで音が割れます

小太鼓に大太鼓の撥で強く叩いたような感じでしょうか?

手に来る衝撃が強すぎる

1台ピアノを調律し終わった時、指が痛くなること良くありませんか?

お客様は毎日、何年もそのピアノで弾き続けているのです。

連打性が落ちる

太くてゴツイ鍵盤がゴリゴリ動きます、細ければ連打性は上がります。

(スピネットがタッチが重い原因の一つ、もう一つは鍵盤の急な前後の角度)


しかし、鍵盤を長くすることはできません。

また、全てを均等に薄くすることもできません。

ですから、鍵盤の角を少し落とすことで指に長くなったと錯覚させるのです

竹刀がもし、面取りもしていない角材だったら素振りはしにくいと思います。

持つところが面取りしてあっても、衝撃、しなりで刺々しい物を振っている感触が残ります。

また、角を落とすと、棒の中心をイメージしやすくなります

芯の通った素振りは違います。太鼓のの撥でも、ドラムスティックでも同じです。

それらと同じように、鍵盤の裏側を面取りすると、

芯を感じるタッチでコントロールがしやすくなります

指に感じる衝撃も和らぎます

音色、連打性、音色の変化にプラスを確実に感じました。


では、鍵盤裏側の面取りでマイナス部分はと言いますと、

ピアノの個性がかなり変わるので、お客様が戸惑う

タッチの感じ方は現物、人、部屋によって変わる


指への衝撃が強くて本能的に強く弾きたくないと感じていた人は、

面取り後タッチが重く感じる

よく、ヤマハでタッチが軽いという人がいますが、重量自身ではなく、

(つんざくような硬い音色、衝撃の強い鍵盤でこれ以上弾きたくない、

と本能で感じる場合があります、その場合は鍵盤を押し下げることに否定的になりますので、

鍵盤が軽く感じます、面取りは効果的に作用します)


また、面取りをした場合、

鍵盤自身の重量がほんの少しかわるので、(前後バランスは変わらないのでダウンウェイトは同じ)

鍵盤の初動が軽くなり、タッチが軽くなると感じる人もいる

(カワイの初動の重い鍵盤にはかなり効果的)


鍵盤の恰好が変わり、不安をもたらす

指で、耳で感じることができない人もいます

後任の調律師の方は、最初の状態を知らないのでなおさらです

一応、勝手に削り出すのでなく、お客様にご説明させていただき、

一本削って、音色が良くなったのを確認していただいてから削っていました。

しかし、これからはもう行いません。

しかし、ハンマーを突く整音、タッチの調整の他に、

もう一つ効果のあるものを発見できたと最初は感動しました。

こんなことをしやがって!

尊い物を汚したような気分になったかもしれませんが、

できるピアノがあれば試していただきたいのがホンネです。

6型以上は効果が薄くなります。








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Author:ノブ
こんにちは、ピアノの調律師の谷口です。ピアノの関する情報と、イタリア音楽など関するホームページを作っています。ぜひ立ち寄ってください。

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