過去の仕事を見て
久しぶりにお客様宅にて ヤマハL102を拝見させていただきました。
当時の私は今とピアノへの考え方が違い、受け止める考え方というより、現状を克服するような仕上がりでした。
小さなピアノに貫録を持たせ、ペラペラなタッチにはコシを持たせ、浅い音色は深い音色を持たせようとしていました。
大きいピアノみたいに思い込んでいると、小さなピアノの断片が見え、
深い音色だと思うと、音量が小さい。
コシノあるタッチだと思い込んでいると、鍵盤の短さを感じる場面もある。
単純で簡単なピアノではなく、複雑で考えさせるピアノ
何もそこまで頑張らなくても、浅い音は浅い音の良さがあり、
ペラペラなタッチはそれなりに反応を楽しめると今は思っています。
丁寧に仕事をしてもピアノはが頑なに今の自分に克服させてくれません。
今の私より当時の方が確かに気合は入っていました。
今の自分では、このピアノを良くする隙がこのピアノにはありません。
幸いお客様は気に入ってくださり、
使用者はこのピアノが基準となります。
他にはない個性のピアノ、
ヤマハのようでヤマハでなく、小さいピアノなのにスケールが大きな部分もあり、
毎日ピアノを触っている自分自身としては現在戸惑いを感じる部分もありました。
何が普通で、何が普通でないのか、
10台くらいレール加工をしたでしょうか?
国産の渋い硬い音が嫌で、アルミのハンマーレールを刻んで木製レールを追加しました。
手間がかかるので今はやっていませんが、ピアノの構造の勉強に大変なりました。
ご使用のお客様にはご理解を頂き感謝しています。